ツールの休息日、新城選手はのんびり……できた?
ツールの現場からこんにちは、宮本あさか@Bernです。
このところ、猛暑が続いています。ここスイスのベルンでも、町の真ん中を流れるアーレ川で、川泳ぎをする人たちの姿がたくさん見られました。ちなみに今日のピレネーは摂氏41度まで気温が上がったそうですから、32度というのは、まだましな方だったのですけれど……。
そんな暑い休息日の夕方に、新城幸也選手の囲み記者会見が行われました。とりあえず第17ステージと第20ステージは逃げたい!!!とのことでしたが、せっかくのお休みですので、ブログもお休みモード全開で行きたいと思います。
(第18ステージ登坂タイムトライアルの上り距離を数えて、「11㎞だけ!つまり、この日も、お休みのようなものです!」と余裕の新城選手)
◎休息日は寝坊できるの??
今ツール中のステージの朝は、ランプレのドクターが、いつも決まった時間に選手をおこしにまわってくるのだそう。じゃあ、お休みくらいは、ゆっくり朝寝坊できた?
「朝8時に、抜き打ちのドーピング検査がやってきたんです……」
嗚呼!おそらくロングスリーパー型の新城選手にとっては、きっとベッドから抜け出すのが辛かったことでしょう。
検査がつつがなく終了したのが朝9時で、練習開始時刻が11時。だから準備時間などのもろもろも考えると、二度寝も出来なかったそうです。残念。
◎休息日はおいしいものを食べても平気?
「休息日というのは、つまり翌日がレースなので、すでに夕方から普通のレースモードに入る必要があるんです。むしろ、おいしいものを食べたり、お酒を飲んだりというのは、休息日の前日ですね」
だから第16ステージの終了後の夕食には、ハンバーガーとピザがテーブルに並びました。アンドラでの休息日前夜がピザだけだったそうですから、ベルンの方が一段と豪華でした!
パテは「ア・ポワン(=ミディアム)」の焼き加減で、ケチャップ・マヨネーズ・マスタードも自由につけてよかったそうです。
「でもフリット(=フライドポテト)はなかったんです(笑)」
◎休息日は部屋で何をしているの?
ゲームをしたりするのかなぁ……と思って聞いてみたら、「ただ寝てるだけですよ」とのそっけない答えが。
ただしモータスポーツレースをTV観戦するのが大好きだそうで、もしもTVでやっていたら、それを眺めているとのこと。
「そうそう、昨日もインディーカーをやっていたので、見ましたよ!」
日本メディアの囲みインタビューのあと、フランステレビジョンから「トマ・ヴォクレールに質問をひとつしてくれないか??」との依頼が。たくさん悩んだ新城選手は、こんな質問をしていました。
「今シーズンが君の現役最後の年だと聞いたけれど、この後は何をする予定?」
取材から帰ってテレビを付けると、さっそくヴォクレールがテレビに生出演中。そしてジュリアン・アラフィリップ、シリル・ゴティエに続いて、3番目に新城選手の質問が登場しました。しかも、これが、ラスト・クエスチョン!
気になるヴォクレールの答えは「まだ妻や家族にしか話してないから、正確にいつ辞めるのかは、この場では言えないんですけど……。でも、自分の中では、答えは決まっているんですよ。とにかく、この先もずっと、僕が自転車に情熱を抱き続けていることには変わりはありません」とのことでした。
肝心の「何をする?」に関してはどうやら答え忘れてしまったヴォクレールですが、週刊新聞『ジュルナル・ド・ディマンシュ』のインタビューによると、究極の夢は「代表監督」なんだそうです!
宮本あさか@Bern
リヨン近郊より。
さまざまなドラマが続いた2週間を終え、ツールも残すところ一週間。遅ればせながら現地に合流いたしました。
土曜の早朝にパリからリヨンまでTGVで移動し、近くの空港でオーストラリア人ジャーナリストをピックアップ。そこから第14ステージのゴール地までは30分程度。スタート地から指定のコースを走ってきた訳ではないためプレス用駐車場に入れず(すぐ目の前にあるのに辿り着けないという、ツールではよくあるパターン)、駐車スペースを探してバードパークの周りをぐるぐる。ふと見上げれば、空ではアルザス地方でよく見かけるコウノトリが悠々と円を描いていました。
プレスセンターで一通りの手続きを済ませ、ゴールエリアへ。プレステントで迎えた最初のゴールは、カヴェンディッシュ。息をつめて見守っていたディメンション・データのプレスオフィサーも、喜びの咆哮をあげて彼を後を追っていきます。
一度フィニッシュラインを越えて走り抜けていった勝者や各賞ジャージ着用者は、ポディウムセレモニーのために途中で方向転換をしてゴールエリアに戻ってくるのですが、取り囲むフォトグラファー、TVクルー、記者たち、続々ゴールしてくる選手たちやそれを迎えるソワニエたちでもみくちゃになるのも久しぶりの体験。グランデパールから帯同していた取材陣は、毎日こんな中で頑張って来たのですね。。。
カヴェンディッシュ選手を巡ってはこんな一幕も。
ポディウムセレモニー、公式記者会見、ドーピングコントロール、とすべてが終了するにはかなり時間がかかるため、チームバスは彼を待たずに出発します。代わりにチームカーがカヴェンディッシュ選手を待っていたのですが、チームカーの周りには、ファンたちの人垣が。そこに戻ってきたカヴェンディッシュ選手に、ファンの一人がサインを求めます。イエロージャージを差し出し、慌てていたのかペンのフタを歯でこじ開けようとした青年に、
「慌てなくていいから、頼むから、口なんかで開けないでくれよ!」
実はとても潔癖症のカヴェンディッシュ選手らしい文句でした。
今日はジュラ山塊のステージ、休息日の前日になります。いってきます!
寺尾真紀
いろいろと心に思った事をまとめてみました。(ツール・ド・フランス2016 途中編)
みなさま、こんにちは。
昨日、衝撃的な映像が目の前に飛び込んでまいりました。
当初第12ステージで予定されていたコースは、モンペリエ~モン・ヴァントゥー間の184km。しかし、モン・ヴァントゥー山頂付近の強風のため、前日に6.5kmのコースカットとなり、「Chalet Reynard」までの登りゴールに変更。
そのため、モン・ヴァントゥー山頂付近観戦予定の観客の方々が下に降りてくる形となり、沿道の人の量が予想をはるかに上回る事となり、今回のような事態につながってしまいました。
一連の流れを振り返りますと、
観客の多さでバイクが通れず急停車→先頭だったリッチー・ポートがバイクに激突→フルーム、モレマも巻き込まれる→モレマすぐに立ち上がり再スタート→リッチー・ポート遅れて再スタート→フルームのバイクが追走バイク激突により破損→フルーム バイクないため自分の足で走る→ニュートラルバイクで走るもサイズもペダルも合わずチームカー到着待つ→チームカー到着ようやく走り出せる→結果、1分40秒モレマから遅れてゴール
但し、結果としては大会運営判断で、救済措置としてフルーム、リッチー・ポートはモレマと同刻ゴール扱いとなり、フルームはマイヨ・ジョーヌをキープしました。
フルームは「 I'm very happy with the commissaires' decision. It's the correct one. Thanks to them and to the Tour de France organization.」と、大会組織の判断に感謝を述べるコメントを残しました。
さて、今回の件。
どの選手の目線から考えても不運でなりません。
この事件が発生したため、本来このステージで素晴らしい功績を残したトーマス・デヘントの活躍が取り上げきれて無かった感が否めません。
ステージ優勝、敢闘賞、そして山岳賞ジャージを獲得。本当に素晴らしいもっともっと注目されてもおかしくない内容でした!
デヘント本人は、「For my career it's the biggest victory. Now only a stage victory at the Vuelta is missing so I might skip the other Grand Tour to achieve this goal of winning a stage at each of them.」とコメントし、来年はブエルタでのステージ優勝獲得を視野に入れて活動を行っていくようです٩( ‘ω’ )و
今後のツール山岳賞争いの動きも気になりますね(´-ω-`)
世界最高峰のサイクルロードレースを3週間をも長い間、運営していくことが、どれだけ大変なのか・・・ということも考えさせられました。当たり前のように我々は送られてくる国際映像を皆様のもとへお届けさせて頂く責務を果たしておりますが、その“当たり前”を作り上げてくれている運営元の努力もまた忘れてはならないということも痛感致しました。
不運にも、モン・ヴァントゥーでは大荒れの天気。抗うことのできない事態で仕方なしのコース変更。臨機応変な判断が求められる場面で、選手第一の考え方をとった運営組織の判断は間違っていなかったはずです。
その後のケアも対応に対応を重ねた結果、予想をはるかに上回る観客がゴール付近に密集してしまったのでしょう。観客あってのプロスポーツです。応援してくれるお客がいるからこそ成り立つレース。一緒に走ってくれる事で、応援をしてくれるその声で、選手達が頑張れることも、もちろんあると思います。
でも、そのレースが素敵な感動を、奇跡を生み出すレースになるか、昨日のような全世界のご視聴頂いていた方々を残念な気持ちにさせるレースになるか観客マナーひとつで変わってきてしまうことも忘れてはいけないのだと思います。
日本国内でも10月にジャパンカップやさいたまクリテリウムなど、世界のトップ選手達が来日し、世界トップレベルのレースを繰り広げます。是非、今回の件を忘れないでほしいんです。選手達が気持ちよく走れる環境を作り上げるのは、ひとりひとりの観客の皆様です。いつか選手達が「日本で走りたい!」と思われる国になれば良いなと、願っている次第です。
珍しく真面目につらつらと書きましたが、何が言いたいのかと言うと、「まだツールは終わっていませんよ」という事に繋がります(° ꈊ °)✧キラーン(←無理がある)
そして、今日は一発目の個人TTです!
まだまだ誰が総合優勝をつかみとるか分かりません(・ω<)☆
ひとりひとりの選手が良く見えるので、推し選手がいらっしゃる方は見逃せないステージですね。(でもゆうても、ヘルメットにサングラスなのでry...)
番組情報 Cycle*2016 ツール・ド・フランス | J SPORTS
そしてそして、7/18(月)海の日のステージのゲストには、「弱虫ペダル」原作者、渡辺航先生にご登場頂きます!ぜひ、お見逃しなく!!
番組情報 Cycle*2016 ツール・ド・フランス | J SPORTS
ちなみに、7/18(月)海の日の昼間には、東京ソラマチJ:COM Wonder Studioにて「ツール・ド・フランス開催記念イベント」を開催致します。お時間ある方は覗きにきてくださいね♪
では、残りのツール・ド・フランスもどうぞお楽しみに(๑•̀ㅁ•́๑)✧
無事、1週間後安全に選手達が清々しい素敵な表情でパリ・シャンゼリゼ通りを走ってますように(○ `人´ ○) タノンマスー!
2016ツール・ド・フランス さいたまクリテリウム クリストファー・フルームの出場が決定!
こんにちは、サイクルライター/アナリストの福光俊介です。
開催中のツール・ド・フランス2016、第12ステージのシャレ・レナールへの上りはとんでもないことになってしまいましたね…。
なかでも、マイヨジョーヌを着るクリストファー・フルーム(イギリス、チーム スカイ)が破損したバイクを置いてランニングをしていた姿は、衝撃的なシーンでもありました。
あの動きについてはさまざま意見が飛び交っていますが、1つ言えるのは彼自身、相当な覚悟を持って走ったのだろうということ。
自他ともにパニックに陥った状況下で、なんとしてもジャージを守る、そして総合優勝をするのだという、強い意志を見せたと感じています。
さて、そのフルームですが、10月29日にさいたま新都心で開催される「J:COM presents 2016ツール・ド・フランス さいたまクリテウム」に出場することが決定しました!
©Team Sky
昨日(7月14日)に発表がありましたので、1日遅れにはなってしまいましたが、このブログでもお知らせしておきたいと思います。
フルームの“さいたまクリテリウム”参戦は、2013年から4年連続となります。
2013年にはマイヨジョーヌを着て優勝し、初代王者に輝くなど、このイベントでの圧倒的な存在感を披露してきました。
今年の出場決定も、誰よりも早い発表となり、われわれにとっても彼の来日が大きな楽しみとなりましたね。
来日した折には、先のシャレ・レナールでのランニングシーンについて、チャンスがあれば少々質問してみようかと考えていたり…。
あの“現場”で何が起こっていたのか、どんな思いで走り出したのかなど、いろいろと聞けたらよいなと思いを馳せています。
なお、その他出場選手については、9月末に発表が行われる予定とのこと。
毎日J SPORTS 4で放映されるツール中継を観ながら、お気に入りライターの来日を望んでみてくださいね。
最後に、大会主催者が発表したフルームのプロフィールを記載しておきます。
---
クリストファー・フルーム(イギリス、チーム スカイ)
1985年5月20日生まれ 31歳
イギリス出身
さいたまクリテリウム出場:4年連続4回目
ツール・ド・フランス主な戦績:総合優勝(2013年、2015年)、総合2位(2012年)
さいたまクリテリウム戦績:2015年3位、2014年44位、2013年優勝
---
それではまた、近々お会いしましょう。
福光 俊介/The Syunsuke FUKUMITSU
suke's cycling world | Facebook
Syunsuke FUKUMITSU (@sukecycle) | Twitter
The Syunsuke FUKUMITSU (@sukecycle) • Instagram photos and videos
元人気選手たちの華麗なる転身
ツールの現場からこんにちは、宮本あさか@Montpellierです。
モンペリエは夜中まで風がごうごうとうなりをたてています。モン・ヴァントゥの禿山のてっぺんは、さぞかし強風が渦巻いていることでしょう……。
さて、J SPORTS中継でも元選手や現役選手が、レース中継で解説を担当されていますね。他の国もやはり同じ。
たとえば大会の祖国フランスの公共放送局では、長年、ツール総合優勝2回のベルナール・テヴネが務めていました。その後はローラン・フィニョンに引き継がれました。毒舌で人気が高かったのですが、病気との闘いに、無念にも敗れ去って……。現在は、ローラン・ジャラベールが担当しています。
また、ジロ・デ・イタリアでは衛星放送局でメイン解説を務めるセドリック・ヴァッスールが、ツールではフランス公共放送局のためにモト解説(オートバイでプロトンに帯同しながら状況を伝える)をやっているんですよ。
photo: jeep.vidon
ユーロスポーツ・フランス版では、レース中継の後にミニまとめ番組が放送されます。題して「Les Rois de la Pedale(ペダルの王者たち)」。ここでトークを繰り出すのがリシャール・ヴィランクとダヴィド・モンクティエです。敢闘賞受賞直後には、新城幸也選手も生放送に登場したんですよ。
photo: jeep.vidon
引退ほやほやのジェローム・ピノー。ジロではフィニッシュエリアインタビュアー(走り終えたばかりの選手を捕まえて話を聞く)をやっていましたが、ツールではレース後の総括担当のようです。ちなみにピノーは、FCナントのサテライトチームに所属していたサッカー少年だったんですよね。だからサッカーのユーロ2016中は、サッカー番組にも出演しておりました。
photo: jeep.vidon
ロビー・マキュワンも、中継後のまとめ番組に出演しています。去年はフィニッシュエリアインタビュアーだったので、私を含む大量のジャーナリストやテレビカメラと同じように、ゴール直後にダッシュしてました。「えぇー、マキュワンとスプリント対決しても、誰も勝てるわけないし……」とみんな密かに思っていたはず。今年はマキュワンが昇格して、フィニッシュエリアにはやってこないので、ありがたいことに記者たちはもう少し落ち着いて仕事ができています。
photo: jeep.vidon
今年のツールで、初めてテレビの仕事をしている姿を見かけたのがイェンス・フォイクトですが……、ドイツの放送局ではなく、アメリカの放送局の仕事をしています。なんでもレース生中継中はテントに待機し、レースを見ながらいろいろ情報収集し、時々外から中継に解説を挟む、そんな任務だそうです。
宮本あさか@Montpellier
新城幸也 第6ステージ敢闘賞獲得のステージをBS無料放送しちゃいます(´ω`*)♪
みなさま、こんばんは。
休息日にしっかりお休み頂けましたでしょうか。
まだまだ1回目の休息日ですよ。あと2週間も楽しめちゃいますよ!
どうぞ、末永くお付き合い下さいませ。
さて、先日の新城選手敢闘賞獲得の興奮が
どうやら当社では抜けきらない様子。
世界のツール・ド・フランスですよ?
日本人の活躍を、もっと多くの皆様にお届けするのがJ SPORTSの務めだろ?と、天の声が聞こえてきましたので、
急遽、再放送決定!!そして、なんと『BS無料放送』です(° ▽ °)☆キラーン
番組情報 Cycle*2016 ツール・ド・フランス | J SPORTS
こちらの情報、自転車ファンの皆様だけが知っていれば良いという訳ではありません。
自転車のファンでなくとも是非とも見てほしい、いや見るべき1ステージです。
ぜひ、広く皆様のお知り合いにご紹介頂き、一緒に日本からの声援を届けましょう。
きっとその声援がフランスで走っている新城選手の力になるから…(*δωδ*)」☆
©Yuzuru SUNADA
ちなみにですが、ああいう逃げ選手だけをずっとカメラで追っかけたい!
という時に、J SPORTSオンデマンドは非常に便利でして、
自分でカメラをセレクトできるので、ずっと逃げの選手だけを追いかけられたりするんです。
新城選手がどこかでもう一度逃げてくれれば、“新城カメラ”として機能します!!!
[詳しくはこちら]
http://front.jsports-ondemand.com/category/index/C0003
そして、14日(木)では“死の山”モン・ヴァントゥーが登場します!
選手達はきっと死ぬほどキツいんでしょうが、視聴者の皆様からしたら楽しみこの上ないステージですよね。
総合争いが白熱の展開になることでしょう(*´`*)
ここでひとつ告知を。
J SPORTSサイクルロードレースLINEアカウントがつい先日解禁!
いつもながらそこまでかっちりしないネタを担当者が思いつくままお知らせしますので、ご興味ございます方は是非、ご登録くださいませ。
[お友達登録はこちらから]
それでは、新城選手の勇姿をぜひ今一度7/13(水)ツール・ド・フランス第11ステージの放送前
7月13日(水)午後4:00 - 午後8:25 J SPORTS 4 にて放送予定です。
「ひとりでも多くの方に見てほしい!」
そんなJ SPORTSスタッフの思いがぎっしり詰まってます☆ミ
ぜひ、ぜひ、ぜひ!ご覧くださいませ。
無料だろうが、仕事中だよ!見れねえよ!という方いらっしゃいましたら、録画予約をお忘れなく。
決して、腐るものではありません。永久保存版にするべきです。(ですが、売らないで下さいね。笑)
では、本日の放送もどうぞお楽しみに。
あと2週間、一緒にチバリヨー((((( ( (ヽ(;^0^)/
ツール開幕から、1週間が経ちました!
大きなケガを乗り越えてツール出場を果たした新城選手が、開幕6日目にして逃げに乗り、敢闘賞を獲得して表彰台に上るという、この上なくすばらしいニュースも!
テレビの前での応援にも、否が応にも力が入ります。
* * *
ツール7日目が終わってのニュースは、まず、今の時点でもまだリタイヤゼロ、という、嬉しいツール新記録。そしてもう一つは、そこここで見かける『57%』の数字。これは、7ステージで4勝という快進撃を続けるチーム・ディメンション・データの、今ツールでのステージ勝率ということになります。
オムニアム(トラック)で悲願のリオ五輪出場を確定させている(団体追い抜きでもメンバーには入っていますが、1チーム4人のところの5人目)マーク・カヴェンディッシュが6ステージ目でハットトリック(3ステージ勝利)達成。2009年ツールではステージ6勝、2010、2011年ツールではステージ5勝を挙げている彼ですが、6日目までに3勝したことはなく、これまでで最速。これからのスプリントステージでも目が離せません。
彼を見るたびに思うのは、いわゆるトップ選手と、その中でもいちばん上のひとにぎり(ラ・クレーム・ドゥ・ラ・クレームとでも言うのかしらん? どうも本場のフランスではあまり使われない表現のようですが・・・)の違いは、このしぶとさ(すみません)だなあということ。スランプや故障といった不運が続き、全盛期の輝きが消えて、もうそろそろ引退なのでは・・・と思わせるような時期がしばらく続いても、そこから不死鳥のように甦って、再び王者の風格を見せる。もうそろそろぽっきり折れちゃうんじゃないかと思っても、決して心が折れないこと。カンチェッラーラしかり、ボーネンしかり。
余談であり、まったく根拠のない私見ではありますが、しばらく不遇が続き、BMCと決別することになったフィリップ・ジルベールも、これで一巻の終わりではないんじゃないかと思う。しぶとそう(再びすみません)ですもの。。。
いわゆるエースに限らず、この「折れない心」を持った選手は息が長いなあ、と思います。毎日毎日のストレスやダメージから上手に回復して、モチベーションを持続させながら、長く、長くキャリアを続けられる選手のことを、わたしはとても尊敬しています。
頭に血が上りやすく、レース内外の言動が論争を巻き起こすこともありますが、カヴェンディッシュ選手も、2010年に最初にインタビューに行ったときから大好きな選手であります。プロトンでいちばん尊敬する選手は誰か、という質問を同業(メディア)の方に先日いただいたのですが、ぱっと口をついて出てきたのは彼の名前でした。
こうやってじっくりTVでツールを見られるのは、2010年以来のこと。初めてツール取材に行った2010年も、仕事の都合で途中合流でした。国際免許を更新したり、シャツやくつしたを数えたり、しみじみ渡仏の準備をしつつ思うのは、TV中継をちゃんと見ていると、展開がものすごーくよくわかる、ということ。
移動で手間取ってしまい、ゴール地に着いたとたん何がなにやらわからぬままフィニッシュラインに直行・・・ということも現地では十分あり得るので、大きなメディアによっては、とにかく何人かはゴールに直行、プレスルームで中継を最初からしっかり見る、というところがあるのも納得です。
最初の休息日を目前にして、各チーム広報からは休息日のプレス会見やイベントのご案内が送られてきます。毎年さまざまな催しがある中で印象に残っているのは、エティックス・クイックステップ恒例の「ムール&フリットを食べようの会」。ムールもフリットもたくさん出してくださるのですが、みなさん尋常でないやる気と胃袋で来られるために、ムール貝をめぐる争いは熾烈でありました。。。
・・・というよもやま話はさておき、ツール休息日前あたりに続くのが、来期のチーム体制やスポンサー、選手の移籍関連のニュース。いくつか拾ってみます。
まずは、ボーラ・アルゴン18が、ドイツの高級水栓製品ブランド、ハンスグローエを第2スポンサーに迎え、ワールドツアーへの昇格を計画しているというニュース。この新チーム、ボーラ・ハンスグローエは、世界ロード王者のピーター・サガン、ピーターの兄であり、スロバキア国内ロードを制したばかりのユライ・サガン、ポーランド国内チャンプ、ラファル・マイカらの移籍先になるのではないかとも報じられており、その場合、バイク提供はスペシャライズドになるのではないか、といわれています。
今ツール開幕直前、キャノンデールはドラパック・キャピタルパートナーズ(不動産投資会社)を第2スポンサーに迎え、キャノンデール・ドラパックプロサイクリングチームになりましたが、キャノンデールとドラパック・プロサイクリング(プロコンチネンタルチーム)の本格的な合併は来期からとなり、ワールドツアーチームのキャノンデール・ドラパックと、育成チームのドラパック・パッツヴェジ(コンチネンタル)という体制になる見込みです。
レキップ紙の報道によれば。BMCレーシングチームが2017年末で解散とのこと。潤沢なチーム資金で知られていたBMCレーシングですが、ソノヴァ・ヒアリング(補聴器ビジネスの会社で、前身はフォナック)の会長だったアンディ・リース氏がチーム運営から手を引くことを決めたようです。2017年以降は他チームへのバイク提供に切り替える方針を考えているとのことです。
休息日に大きなニュースを発表します、と言っているジャイアント・アルペシンについては、新しくサンウェブ社(オランダの旅行会社)を第2スポンサーに迎えるのではないか、とAD紙(オランダ)が報じています。現行の第2スポンサー、アルペシンについては、他チームのスポンサーに鞍替えするのではないかという報道もありましたが、正確なところはわかっていません。マルセル・キッテルの移籍後、チームの中心的存在であったジョン・デゲンコルプについては、今期限りでジャイアント・アルペシンを去ることが代理人から発表されました。移籍先については8月初めに発表とのことです。
UCIのルール上、正式な移籍契約は8/1以降でないと結ぶことができないのですが、多くの大きな移籍については、ツール前半までに話がまとまっていて、仮の契約(いうなれば、契約書にサインしますという契約のような。。。)が取り交わされているケースが多いように思います。エージェントはとにかくメインの選手の契約を片付けないと、他の選手の契約に本腰を入れられない・・・というところもあるので(セットでチームにお願いするという、そういうパターンもありますが)、ツール序盤までに大きな契約はカタをつけ、そこからツール終盤、そこで決まらなければブエルタあたりまで、他の選手たちの契約の交渉が続く、という感じではないかと思います。
レースはいよいよピレネー2日目! レースからも、レース周りのニュースからも目が離せませんが、2週目以降も、めいっぱいツールを楽しみましょう!
寺尾 真紀