リヨン近郊より。
さまざまなドラマが続いた2週間を終え、ツールも残すところ一週間。遅ればせながら現地に合流いたしました。
土曜の早朝にパリからリヨンまでTGVで移動し、近くの空港でオーストラリア人ジャーナリストをピックアップ。そこから第14ステージのゴール地までは30分程度。スタート地から指定のコースを走ってきた訳ではないためプレス用駐車場に入れず(すぐ目の前にあるのに辿り着けないという、ツールではよくあるパターン)、駐車スペースを探してバードパークの周りをぐるぐる。ふと見上げれば、空ではアルザス地方でよく見かけるコウノトリが悠々と円を描いていました。
プレスセンターで一通りの手続きを済ませ、ゴールエリアへ。プレステントで迎えた最初のゴールは、カヴェンディッシュ。息をつめて見守っていたディメンション・データのプレスオフィサーも、喜びの咆哮をあげて彼を後を追っていきます。
一度フィニッシュラインを越えて走り抜けていった勝者や各賞ジャージ着用者は、ポディウムセレモニーのために途中で方向転換をしてゴールエリアに戻ってくるのですが、取り囲むフォトグラファー、TVクルー、記者たち、続々ゴールしてくる選手たちやそれを迎えるソワニエたちでもみくちゃになるのも久しぶりの体験。グランデパールから帯同していた取材陣は、毎日こんな中で頑張って来たのですね。。。
カヴェンディッシュ選手を巡ってはこんな一幕も。
ポディウムセレモニー、公式記者会見、ドーピングコントロール、とすべてが終了するにはかなり時間がかかるため、チームバスは彼を待たずに出発します。代わりにチームカーがカヴェンディッシュ選手を待っていたのですが、チームカーの周りには、ファンたちの人垣が。そこに戻ってきたカヴェンディッシュ選手に、ファンの一人がサインを求めます。イエロージャージを差し出し、慌てていたのかペンのフタを歯でこじ開けようとした青年に、
「慌てなくていいから、頼むから、口なんかで開けないでくれよ!」
実はとても潔癖症のカヴェンディッシュ選手らしい文句でした。
今日はジュラ山塊のステージ、休息日の前日になります。いってきます!
寺尾真紀