もう1つのブエルタ・ア・エスパーニャ-マドリードチャレンジ・バイ・ラ・ブエルタ-
こんにちは、サイクルライター/アナリストの福光俊介です、お久しぶりです。
今年最後のグランツール、ブエルタ・ア・エスパーニャが大熱狂のうちに終了しました。
今回も素晴らしい戦いでしたね。
ツール・ド・フランスでの体調不良を克服し、万全の調子で3週間を戦ったナイロアレクサンデル・キンタナの強さが際立ちましたが、彼を支えた8人のアシストの働きも見事でした。
ここぞというところで、しっかりと決め、さらにはライバルの動きを読みきったキンタナは、今年のマイヨロホにふさわしい王者といえるでしょう。
総合2位のクリストファー・フルームも、負けてなお強しといった印象。
ツール、リオデジャネイロ五輪、そしてブエルタと、連戦となりながらも戦い抜いた姿勢は、彼の野望でもある「ダブル・ツール」への第一歩となったことでしょう。
さて、別府史之、新城幸也、両日本人選手の参戦もあって例年にも増して注目度の高かったブエルタですが、もう1つスペイン・マドリードを舞台にブエルタの名を冠したレースがあるのはご存知でしょうか?
これは昨年からブエルタ最終日に、マドリード市街地の周回コースを使って行われる女子レース。
ツールでは最終日にパリ・シャンゼリゼ通りの周回コースで、女子レース「ラ・コルス・バイ・ル・ツール・ド・フランス」が行われていますが、それに倣ってブエルタでも女子選手が主役となるレースが行われています。
マドリードチャレンジ、ラ・コルス両レースに共通するのは、主催者がブエルタ、ツールと同じA.S.O(Amaury Sport Organisation/アモリ・スポル・オルガニザシオン)であること。
そして、将来的な“ウィメンズ・ブエルタ”“ウィメンズ・ツール”の開催を目指していること。
つまりは、「“ウィメンズ・グランツール”の実現」を視野に入れており、マドリードチャレンジとラ・コルスはそのための試験的な意味合いを持つレースであります。
ともに、今シーズンからUCI(国際自転車競技連合)によって始まった「UCIウィメンズ・ワールドツアー」の1つに組み込まれており、女子ロードの世界においては主要レースの1つとされています。
マドリードチャレンジ、今回は1周5.8kmを15周回する87kmで争われました。
レースの模様は、以下のハイライト動画からどうぞ。
Best of - Madrid Challenge 2016
第2回大会の優勝は、ウィグル・ホンダのスプリンター、ヨリエン・ドーレ(ベルギー)。
リオ五輪では、トラック・オムニアムで銅メダルを獲得した実力者でもあります。
また、今回は日本のエースでもある與那嶺恵理がポワトゥー-シャラント・フュテュホスコープ・86(フランス)の一員として出場。
58位でのフィニッシュでしたが、中間スプリントにも参戦し、ポイント賞争いでも7位に入っています。
與那嶺は7月には女子最高峰のレースである「ジロ・ローザ」にも出場しており、まだまだ男子と同列に扱うことは難しい面はありますが、ジロとブエルタ2つのグランツールに臨んだと見ることもできます。
マドリードチャレンジにせよ、ラ・コルスにせよ、まだまだ課題も多く、ひいては女子ロードレース界全体でもさまざま改善点があるわけですが、こうして大きなレースを開催し、成功につなげていくことが今後の発展に導いていく最短距離だといえます。
これらのレースが目指す、将来的なウィメンズ・グランツールの実現、そして女子レースのさらなるメジャー化に向け、一歩一歩前進してほしいと望みます。
少々脱線しますが、ボディウムガールならぬ“ポディウムボーイ”が選手を祝福するのも粋ですよね!
女子レースに華を添える役割として、ぜひとも続けてほしいものです。l
どうかみなさんも、女子選手の活躍に引き続きご注目ください。
それではまた、近々お会いしましょう。
福光 俊介/The Syunsuke FUKUMITSU
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