J SPORTSサイクルブログ

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2017ブエルタ開幕、コンタドール最後のグランツール

こんにちは、宮本あさか@Nimesです。

 

今年最後のグランツールブエルタ・ア・エスパーニャが開幕します。

 

残念ながら、いつもの底抜けに陽気な雰囲気は影を潜め、ちょっと重いスタートとなってしまいました。……というのは、みなさまご存知でしょうが、スペインのバルセロナと近郊で2件のテロ事件が発生したからです。

今回ブエルタ開幕前夜のチームプレゼンテーションの前には、各チームから代表選手が壇上に上がり、犠牲となった方々へ1分間の黙祷を捧げました。出席者には黒いリボンが配られました。スペイン全土は18日から3日間の喪に服します。

気になる大会と選手たちの「安全」ですが、開催委員会は「問題ない」と断言しています。近年数度のテロの舞台となったフランスは、いまだ「国家非常事態」が解除されていない状態であり、つまり常に最高レベルの警戒態勢にあります。第3、4ステージで通過するアンドラ公国は、ブエルタ用に警備の数を増やすことを発表しました。またスペイン本土も、テロ直後に警戒レベルが最高レベルの5に引き上げられ、国土全体に厳しい警備体制が敷かれることになります。

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(プレゼンテーションは緑豊かな庭園で行われました。Photo: jeep.vidon)

 

スペイン一周なのにフランスで開幕、というのもいつもと雰囲気が違う要因だったかもしれません。ツール最終日前夜のマルセイユ個人TTでも聞こえてきたように、……チームプレゼンテーションの現場にクリス・フルームが姿を現した時に、今回も聞こえてきてしまいました。例のブーイングが(涙)。

(フランス在住の人間としてほんのちょっとだけ擁護させてもらえるとしたら、フランス人というのはサッカーフランス代表にも平気で辛辣にブーイングを飛ばすような批判精神の持ち主ですので……)

ただしフルームがプレゼンテーション壇上に上がった時には、幸いにも、聞こえてきたのは拍手だけでした。フルームもいつもの通り、丁寧に、笑顔で、分かりやすい英語でコメントを述べました。さすが英国紳士の鏡です。

 

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コンタドールは今大会用スペシャルバイクと共に。Photo: jeep.vidon)

 

でもやっぱり、プレゼンテーション会場にしんみりした雰囲気が漂った一番の理由は、アルベルト・コンタドールの人生最後のグランツールだからに違いありません。

キャリア最後の3週間で、コンタは、どんな勇姿を見せてくれるのでしょうか。グランツール7勝(+2勝)の偉大なるチャンピオンが、グランツールで表彰台に登るときは、いつだって「てっぺん」だけでした。

 

それでは。

宮本あさか@Nimes