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ブエルタ・ア・エスパーニャ2017 出場チームとワイルドカード選出の背景に迫る

こんにちは、サイクルライター/アナリストの福光俊介です。

 

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© Unipublic

 

“パヴェ”を呼ばれる石畳を走る「北のクラシック」が盛り上がりを見せていますが、ときを同じくしてシーズン後半のビッグイベント「ブエルタ・ア・エスパーニャ」に向けた動きも活発となっています。

 

3月27日、ブエルタを主催するスペインのスポーツイベント企業・ウニプブリクが、22の出場チームを発表しました。

以下、決定した出場チームです。

 

UCIワールドチーム】

アージェードゥーゼール ラモンディアル(フランス)

アスタナ プロチーム(カザフスタン

バーレーンメリダバーレーン

BMCレーシングチーム(アメリカ)

ボーラ・ハンスグローエ(ドイツ)

キャノンデール・ドラパック プロフェッショナルサイクリングチーム(アメリカ)

エフデジ(フランス)

ロット・ソウダル(ベルギー)

モビスター チーム(スペイン)

オリカ・スコット(オーストラリア)

クイックステップフロアーズ(ベルギー)

チーム ディメンションデータ(南アフリカ

チーム カチューシャ・アルペシン(スイス)

チーム ロットNL・ユンボ(オランダ)

チーム スカイ(イギリス)

チーム サンウェブ(ドイツ)

トレック・セガフレード(アメリカ)

UAE チームエミレーツUAE

 

UCIプロコンチネンタルチーム】※ワイルドカードでの選出

コフィディス ソリュシオンクレディ(フランス)

カハルーラル・セグロスRGA(スペイン)

アクアブルースポート(アイルランド

マンサナ・ポストボンチーム(コロンビア)

 

ブエルタ・ア・エスパーニャ公式WEBでの発表記事(英語)

www.lavuelta.com

 

まず、「UCIのルールに基づいて」として、まず18のUCIワールドチームを自動的に選出。

こちらは、ジロ・デ・イタリアツール・ド・フランスと同様ですね。

 

ブエルタに限らず、どのグランツールでも注目されるのがワイルドカード

コフィディス ソリュシオンクレディはビッグレースでもおなじみ。

コフィディス社はブエルタの大口スポンサーとして、数年にわたって大会を支えている点から見ても、ワイルドカードでの選出は妥当。

今大会への出場は未定ですが、エーススプリンターのナセル・ブアニ(フランス)ら実力者をそろえ、ビッグチームに迫るだけの戦力を有しています。

 

自転車大国にあって唯一のUCIプロコンチネンタルチームである、カハルーラル・セグロスRGAも同国自転車界ならびに同国開催のビッグレースでは欠かせない存在。

ここ数年はブエルタの常連であると同時に、

将来性の豊かな選手についてはスペイン人に限らず採用する方針をとっており、チーム力も着々と上がってきているところです。

 

これら2チームを“古豪”と呼ぶなら、次の2チームは“新興”と言えるでしょう。

 

アクアブルースポートは今年、サイクルロードレースシーンで産声を上げたアイルランド籍のチーム。

所属選手は16人と小規模ではあるものの、ビッグチームでの経験や実績に富んだライダーがそろっており、すでにクラシックなど伝統のレースでも招待を獲得。

戦力的にもさることながら、アイルランド自転車界の英雄であるショーン・ケリー氏が1988年にブエルタを制覇するなど、大会との関係の深さも挙げられます。

 

そして、今回のサプライズと言えるのがコロンビア籍のマンサナ・ポストボンチームの選出。

チームの結成は2006年で、2011年にはコロンビア・エス・パシオン-カフェ・ド・コロンビアの名でUCIプロコンチネンタルチームとして活動した実績があるものの、国際的には無名。

所属選手は16人で、うち13人が地元のコロンビア人選手。

若い選手が多いのも特徴です。

このセレクトには、財政難に苦慮しているというコロンビア自転車界の支援を目的としているという主催者・ウニプブリクの思惑があるとの見方も多く、実力やビジネス的側面に限らない出場チームの構成と言えそうです。

 

出場チームが出揃い、レースが楽しみになってきましたね。

情熱の国・スペインで繰り広げられる戦い、ぜひ今から想いを馳せていきましょう!

 

ブエルタ・ア・エスパーニャ2017は、8月19日から9月10日の日程で行われます。

 

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© Unipublic

 

それではまた、近々お会いしましょう。

 

福光 俊介/The Syunsuke FUKUMITSU

http://www.thesyunsukefukumitsu.jp/

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