J SPORTSサイクルブログ

国内最大4チャンネルのスポーツテレビ局J SPORTSのサイクルブログです。

ツール開幕地より

ツール・ド・フランスの開幕地から、こんにちは。宮本あさかと申します。

大会中はレースレポートやビデオインタビューなど担当しております。これからは時々、レース現場から、ブログにも書きこませていただきます。

どうぞよろしくお願いいたします。

 

さて、開幕の地ノルマンディーはびっくりするほど寒いのです。第1ステージ当日の予想最低気温は、なんと10度!

しかも空はもくもくとした灰色雲に覆われて、高台に掲げられた旗は風をいっぱいにはらんで、さらには日に何度もにわか雨に襲われて....。

カモメたちが飛び交う姿を見ていると、なにやら荒れ狂う海への冒険に出るのにはぴったりな、そんな空模様のような気がします。

でも、ここから旅に出るのは、自転車に乗った男たちなわけで。

 

開幕前日のメディアミーティングで、レース委員会のティエリー・グヴヌー氏はこう語っています。

「今年のツール1週目には石畳もなければ、風による分断が起こせそうなコースもない。これが意味することは、つまり、開催委員会は選手たちの安全を第一に考えているということなのだ

 

長旅へ無事に滑りだすための、安全に配慮したコースづくり。でも、きまぐれ空模様だけは、どうしてもコントロールできないもの。それがまた、自転車レースの魅力でもあるんですけど......。

 

f:id:jsports_cycle:20160702150800j:plain

(6月30日チームプレゼンテーションにて。photo:jeep.vidon)

 

「こんなノルマンディーの天候には慣れてます」

と、あっけらかんとした笑顔で語るのは、われらが新城幸也選手です。

2月のカタールでの落車、大腿骨骨折を乗り越えて、見事6度目のツール出場を勝ち取った新城選手が、初めてフランスで自転車乗りとして過ごした土地が、ここノルマンディーでした。たしかに、新城選手が敢闘賞を手にした2012年ツールの第4ステージは、まさしくノルマンディーが舞台でしたし、通り雨もコース上を駆け抜けました。

 

「だから1週目は、風や雨からチームリーダーを守るのが大切な役目です。できる限りタイムを失わないように」

きっと新城選手の地の利と、経験が生かされることでしょう。じゃあ、新城選手自身が、前に行く日とは?

 

f:id:jsports_cycle:20160702150749j:plain(7月1日、開幕前日の新城選手。愛犬コリンちゃん&チームマネージャーのコープラント氏と共に、リラックスした笑顔を見せる。photo:jeep.vidon)

 

「チームから行け、と言われたら、もちろん初日からでも行きますよ。ただ、自分としては、2週目以降ですね。おそらく後半に向けて、自分の調子も上がって行くはずなので。とにかく、前のチームよりも、逃げるチャンスは間違いなく増えるでしょう」

 

そして確実に逃げ切りたいなら、第8ステージでヴォクレールについていくこと、と新城選手はニヤリ。というのも、フィニッシュのバニエール・ド・リュションは、プロトンナンバーワンの逃げ巧者が、2度優勝をさらった土地だから!

ちょうど2週目が始まるこのステージは、要注目でございます。

 

それでは。Bonne chance et Bon Tour de France !

宮本あさか