個の力が試された大島決戦 第85回全日本自転車競技選手権大会ロード・レース
こんにちは、サイクルライター/アナリストの福光俊介です。
6月30日深夜にJ SPORTSで放映された、ツール・ド・フランス2016 チームプレゼンテーションはご覧になりましたか?
「ノルマンディー上陸作戦」をイメージして、選手たちが次々と“上陸”する様は、歴史を感じさせると同時に、いよいよツールの季節がやってきたことを実感させてくれましたね。
みなさんの眼には、戦いを控える選手たちの姿はいかが映ったでしょうか?
われらが新城幸也選手(ランプレ・メリダ)もよい顔をしていましたね!
さて、ツールは7月2日からレースがスタートしますが、それに先だって6月24~26日に東京都大島町で行われた「第85回全日本自転車競技選手権大会ロード・レース」の模様が放映されます。
第1回放映は、J SPORTS 4で7月2日(土)午後5:00~6:30。
大会期間中は、KINAN Cycling Team帯同と女子エリートロードレース取材のため、私も大島入りしました。
あまり書きすぎるとネタバレになってしまいますので、ほどほどに留めますが、現地でレースを見ていて感じたことを男子エリートロードレースを中心に少々書かせてください。
近年、日本国内のレースではUCIコンチネンタル登録チームを中心に、本場ヨーロッパのトップシーンでの実績を持つ、スペイン人選手やフランス人選手などが日本に活躍の場を求めて所属しています。
その中には、グランツールでのステージ上位を経験したほどの選手も。
彼らが日本で走ることによって、国内レースの水準は以前と比べ高まっています。
おのずと、日本人選手の実力も向上しています。
走力はもちろん、戦術面にもそれが反映されているように感じます。
それらをリアルに見て取れるレースこそ、日本一のライダーを決める全日本なのです。
特に今年はそれが顕著だったように思います。
普段、外国人選手と日本人選手の融合で力を発揮しているチームが、外国人選手抜きでどれだけ戦えるのか、真価が問われるレースでもありました。
一方、日本人選手だけで構成されるチームも、これまでに経験してきたハイレベルな戦いを経て、この舞台へと乗り込んできました。
また、大島のコースは1月のアジア選手権でも使われましたが、そのときと同様に「個の力」が試されるレースでもありました。
もちろん、エースとアシストの役割分担がきっちりとなされ、チームとして動けることが重要ではありますが、そればかりでは測れない難しいコースであり、展開でもあったのです。
起伏に富んだ周回コースであること、この島特有の強い風が関係しています。
それは、男子エリートに限らず、期間中に実施された女子エリート、男子アンダー23の各ロードレースでも同様でした。
全日本は例年、コース難易度や気象条件が相まってサバイバルなレースになりますが、今回もこれまでと違わない展開となりました。
放送では、それらがきっと伝わってくることでしょう。
日本チャンピオンを決めるにふさわしい、過酷で、それでいて激しい、選手たちのさまざまな思いが交錯する熱いレースであったことをお伝えしておきます。
そして観終えたとき、勝者だけではなく、戦ったすべての選手をどうか称えてあげてください。
それではまた、近々お会いしましょう。
福光 俊介/The Syunsuke FUKUMITSU
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