J SPORTSサイクルブログ

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『パリ~ルーベ』 本日18:10~放映! 今年もまた、この日がやってきました!

2月のオムループ・ヘット・ニウスブラッドからスタートした石畳のクラシックが、とうとう今日、もっとも華やかなその終幕を迎えようとしています。

 

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(宮本あさかさんによる、パリ~ルーベ2017のプレビューはこちら↑↑↑)

まだ冬の寒さが残る2月のヘントから、桜と見まごう(ちなみに、「ベニバスモモ」のお花であります)ピンクの花びらが舞う4月のルーベまでの道のり。オフシーズンからトレーニングを積み、北のクラシックに備えてきた選手たちにとっては、今日のパリ~ルーベがその集大成とも言えます。

 

オムループで昨年に続く2連覇を達成し、フランドル・ウィークには、レコードバンク・E3ハレルベケ、ヘント~ウェヴェルヘムで続けざま初優勝を飾ったグレッグ・ヴァンアーヴェルマート(BMCレーシング)。昨年ツール・ド・フランドルを制し初のモニュメント優勝を飾った現ロード世界王者のペーター・サガン(ボーラ・ハンスゴローエ)。現役最後の一戦に、史上初のルーベ5勝がかかるトム・ボーネン(クイック・ステップフロアーズ)。それぞれフランドル、ルーベを制した、モニュメント勝者のアレクサンドル・クリストフ(チームカチューシャ・アルペシン)、ジョン・デゲンコルプ(トレック・セガフレード)。彼らをはじめとするビッグネームたちに加え、近年ではヨハン・ヴァンスーメレン(2011年)やマシュー・ヘイマン(2016年)が証明したように、エスケープ(逃げ)からの勝利があり得るのも、ルーベの醍醐味です。

 

ヘイマン自身、こんなコメントを残しています。

「パリ~ルーベは、ブレーク(逃げ)がフィナーレまでたどり着くチャンスがある、数少ないモニュメント」

だからこそ、スタートから数時間、時には100km近くにわたり、逃げに入るための熾烈なアタック合戦を選手たちは繰り広げます。

昨年に続き、今日の放送ではスタートからゴールまでの全行程が生中継される予定となっています。ニュートラルゾーンから始まる熱い攻防は、見逃せません!

※ 本日の放映は18:10~であります!!!!!

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選手たちに、そのキャリアを通して熱い夢を見せ続けるのもルーベなら、アランベールの森でのメカトラやカルフール・ド・ラルブルでのクラッシュで、その夢を破れさせてきたのもルーベ。16回のチャレンジで勝利をものにしたヘイマンのストーリーは、ある意味自転車界のおとぎ話と言えるかもしれません。

 

さて今日、誰よりも注目を集めるのは、今日のレースを最後に現役を引退する、トム・ボーネン。ルーベで史上最多(タイ)の4勝を誇り、ファビアン・カンチェッラーラ(昨年引退)とともに、長きにわたってフランドル・クラシックの王者として君臨してきました。

ベロドロームのスプリントでヘイマンにわずかに及ばず、昨年のレースは2位で終えています。数多くのファンだけでなく、プロトンの誰からも、メディアの誰からも愛された彼は、昨年のレース後、こんな言葉を残しています。

『あそこで僕以外の誰かが勝たなくちゃならなかったとしたら、それはマシューだった。彼以上にふさわしい男はいないよ。キャリアを通して、あんなにいいアシストであり続けてきた。そして、彼にとっては、ライフ・チェンジャーだ。もし僕が5勝目を挙げたとして、それが何を変える? もちろん嬉しかったと思う。ほんのちょっと余計にね。けれど、それ以外の何も、特には変わることはなかったはずだ。それにひきかえ、あの勝利は彼の人生を変える。彼が勝つのを見ることができて、よかったよ』

彼の現役最後の一日が、すばらしいものになりますように。

 

てらおまき@京都

 

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